土木・建築構造物の総合メンテナンス −株式会社 月形−      −確かな技術で資産をガードする− ■土木・建築構造物の総合メンテナンス
注入工法
表面処理工法
注入工法
充填工法
 
 
 工法の概要と特徴
 
 この工法は、ひび割れに樹脂系あるいはセメント系の材料を注入して、防水性、耐久性を向上させるものであり、仕上げ材がコンクリートの躯体から浮いている場合の補修にも採用されています。
 
 注入工法は、防水性および耐久性の向上を目的とするほか、使用材料しだいでは躯体の一体化も可能であることから、コンクリート構造物全般に発生したひび割れの補修工法として適用可能です。注入方法により以下の3工法に分類されています。
 
橋梁の床版のひび割れ注入(低圧注入)
 
 ・自動式低速低圧注入工法
 
 ・手動式樹脂注入工法
 
 ・機械式樹脂注入工法
 
表−1 エポキシ樹脂注入工法
 
 従来、手動や足踏み式の機械的方法が用いられていました。しかしこれらの方法では、
 
 @注入量の管理ができない
 
 A貫通していないひび割れの奥深くまで材料を注入することが困難である
 
 等の欠点がありました。そのため、現在では自動式低圧注入工法が主体となっています。
 
 自動式低圧注入工法で使用する注入器の概要を図1に示します。これらの工法はいずれもゴムの復元力やスプリング等のバネ圧を利用した専用の注入器(インジュクターと呼ぶ)を用いて、注入圧力0.4MPa以下の低圧、かつ低速で注入するものです。
 
図−1 注入器の構造の一例
 
 自動式低圧注入工法は、
 
 @注入量の管理が可能である
 
 A注入精度が作業員の熟練度に左右されない
 
 Bひび割れ深部の幅が0.05mmと狭い場合でも確実に注入できる等の特徴を有している
 
 使用材料
 
 注入材料にはエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機系セメント系、ポリマーセメント等の無機系があります。エポキシ樹脂注入材は、
 
 @コンクリートやモルタルとの接着性に優れている
 
 A躯体の一体性を図ることができる
 
 Bその性状が1000Mpa・S以下の低粘度の注入材、1〜5mmと幅の広いひび割れでも流下しないように揺変性を付与した注入材、伸び率50%以上の性能を有する注入材(可とう性エポキシ樹脂)など種類が豊富である
 
 C品質がJIS A6024「建築補修用注入エポキシ樹脂」に規定されている(表2参照)
 
 Dエポキシ樹脂注入材の耐久性は、実構造物の補修後追跡調査の結果、約30年程度が確認されている等の特徴がある
 
表−2 建築補修用注入用エポキシ樹脂の品質(JIS A6024)
 
 また、セメント系およびポリマーセメント系の注入材は、
 
 @エポキシ樹脂注入材と比較して安価である
 
 A熱膨張率がコンクリートに近い
 
 B湿潤箇所でも使用可能である
 
 C鉄筋に対する防錆効果がある等の特徴を有している。また、最近は超微粒子セメント(最大粒径:16μm以下)やその他の無機物を主材とし、これに接着性を付与するためにポリマーデイスパージョンを配合した超微粒子セメント系ポリマーセメントスラリーが開発されている。このような超微粒子系ポリマーセメントスラリーを用いることで、ひび割れ幅0.05mmのひび割れへも注入できることが確認されている
 
注入パイプの設置間隔はひび割れ幅との関係から決まるのが普通ですが、表3にその例を示します。
 
表−3 注入孔の間隔
 
 最後に、以下の項目についても考慮する必要があります。
 
 @注入箇所が湿潤状態にある場合や漏水がある場合には接着不良を起こす可能性があるため、湿潤面における接着性能が確認された注入材を使用しなければならない
 
 Aセメント系やポリマーセメント系の注入材を使用する場合、注入箇所が乾燥状態にあると注入途中で目詰まりを起こしてしまうため、注人材の注入前には水を注入するなどしてひび割れ内を湿潤状態にする必要がある
 
 Bひび割れ注入材に要求される性能は、主に付着強度と引張強度である。これらは有機系、セメント系、ポリマーセメント系といった材質にかかわらず必要な性能である。現在の評価方法は材料単体の品質や材料ごとの特性値を一律に評価する項目が多く、その試験方法や規格値も公的機関ごとで異なる場合がある
 
 
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