有機系材料
コンクリート構造物の補修・補強に、有機系材料が使用され初めてから、約30年以上経過しています。
その用途は、
(1)コンクリート構造物に発生したひび割れを補修する注人材
(2)橋梁の床版や桁の耐荷力や橋脚の耐震性を向上させる目的で、部材に鋼板、カーボン繊維(炭素繊維)シートやアラミド繊維シートなどの補強材を貼りつけるための接着剤
(3)樹脂モルタルのバインダー
(4)コンクリート構造物の早期劣化(中性化、塩害、アルカリ骨材反応、凍害、化学的侵食など)を防止、抑制する目的で行われる、コンクリート表面を塗装する表面被覆材(ライニング、ペイント用)
(5)橋梁床版防水材
などがあります。
また、使用される有機系材料の種類も、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂など、多種多様に渡っています。
このように適用範囲の拡大と使用品種の多様化が進んできた理由として、材料への要求性能が細分化し、適材適所の適用方法がはっきりしてきたこと、さらなる機能付加(環境保全、汚染洗浄性など)や耐久性の向上が求められてきたことなどが挙げられるでしょう。
しかし、有機系材料は、コンクリートや鋼材を主材料として扱ってきた土木・建設技術者にとっては、なじみのない材料であり、その性質や材料の取り扱い方法が理解されていない場合が多く、トラブルの原因となる場合も多いようです。
ここでは、補修・補強に用いられている有機系材料の性質(物理的、化学的)や取り扱い方法、用途など、基本的な項目について考えてみます。
(1)コンクリート構造物に発生したひび割れを補修する注人材
(2)橋梁の床版や桁の耐荷力や橋脚の耐震性を向上させる目的で、部材に鋼板、カーボン繊維(炭素繊維)シートやアラミド繊維シートなどの補強材を貼りつけるための接着剤
(3)樹脂モルタルのバインダー
(4)コンクリート構造物の早期劣化(中性化、塩害、アルカリ骨材反応、凍害、化学的侵食など)を防止、抑制する目的で行われる、コンクリート表面を塗装する表面被覆材(ライニング、ペイント用)
(5)橋梁床版防水材
などがあります。
また、使用される有機系材料の種類も、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂など、多種多様に渡っています。
このように適用範囲の拡大と使用品種の多様化が進んできた理由として、材料への要求性能が細分化し、適材適所の適用方法がはっきりしてきたこと、さらなる機能付加(環境保全、汚染洗浄性など)や耐久性の向上が求められてきたことなどが挙げられるでしょう。
しかし、有機系材料は、コンクリートや鋼材を主材料として扱ってきた土木・建設技術者にとっては、なじみのない材料であり、その性質や材料の取り扱い方法が理解されていない場合が多く、トラブルの原因となる場合も多いようです。
ここでは、補修・補強に用いられている有機系材料の性質(物理的、化学的)や取り扱い方法、用途など、基本的な項目について考えてみます。
有機系材料とは
ここで考えていく有機系材料は、建設分野で一般的に使用されるセメント系材料などの無機系材料と区別し、石油から化学的に合成されて作る合成高分子材料を示します。
合成高分子材料は、石油を精製して作られたエチレン、プロピレン、スチレンなどの原料となる物質(モノマー)や比較的低分子量のオリゴマーなどを化学反応(重合,polymerization)させて合成します。
一般的に、合成繊維、合成ゴム、合成樹脂として利用されています。
(モノは“単”を、ポリは“多”を意味します。モノマー(monomer)は単量体、ポリマー(poly-mer)は重合体といい、その分子量が10,000以上のものをいいます。また、両者の中間にオリゴマー(oligomer)という低重合体があります。
合成高分子材料は、石油を精製して作られたエチレン、プロピレン、スチレンなどの原料となる物質(モノマー)や比較的低分子量のオリゴマーなどを化学反応(重合,polymerization)させて合成します。
一般的に、合成繊維、合成ゴム、合成樹脂として利用されています。
(モノは“単”を、ポリは“多”を意味します。モノマー(monomer)は単量体、ポリマー(poly-mer)は重合体といい、その分子量が10,000以上のものをいいます。また、両者の中間にオリゴマー(oligomer)という低重合体があります。