合成樹脂

合成樹脂の分類と種類
熱可塑性樹脂
硬化した合成樹脂に、熱を加えると、チョコレートのように、柔らかくなり溶け、冷やすと固まる、そして、この工程を何度も繰り返すことができる性質を持ったグループを、熱可塑性樹脂といいます。その構造は、線状の高分子で互いに、糸が絡み合ったような形をしています。
熱可塑性樹脂は、合成樹脂の全生産量の80%近くを占め、熱加工(押し出し成形、射出成形など)により、板状、管状、シート状など、多種多様の成型品として利用され普及しています。
土木分野では、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂などの成型品が、遮音板、道路標識、反射板、排水パイプ、トンネル止水板などに利用されています。
物性は温度の影響を強く受け、0℃以下では脆く、60℃以上では軟化するものが多い。そのため、通常、穏和な使用条件の場合に限られ、耐久性が必要とされる過酷な条件の下では、使用にあまり適しません。
一般に、非構造用接着剤として、広く用いられています。
(1)硬化機構
熱可塑性樹脂を接着剤などに利用する場合、その硬化機構には、溶剤揮散硬化タイプ、水揮散硬化タイプ(エマルション)があります。
(a)溶剤揮散硬化型
溶剤揮散硬化型には、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどがあります。
硬化前の形態は、合成樹脂を、シンナーなどの溶剤に溶解した1液型であり、溶剤が揮散することによって硬化します。
塗料や接着剤としての用途が多い。
これら合成樹脂の一般的なの特徴は、計量や混合攪拌が不要であり、取り扱いが容易であることです。しかし、溶剤の揮散が硬化に不可欠なため、以下の注意が必要になります。
(1)一度に厚付けできない
(2)シンナーなどが揮散するため、換気が必要
(3)硬化物は溶剤に侵される
(b)水揮散硬化型(エマルション、ラテックス)
水揮散硬化型は、水溶性樹脂や非水溶性樹脂を、水中に溶解または乳化剤によって微粒子状に分散させたエマルション(ゴム粒子を分散させた場合は、一般的にラテックスと呼ばれる)であり、水が揮散(セメントなどで水が消費される場合もある)することによって硬化します。アクリルエマルション、スチレンブタジエン共重合体(SBR)ラテックス、などがあります。水性化塗料やセメントモルタルの混和材として利用されています。
水性化塗料は、溶剤による大気汚染がなく、労働安全衛生に優れる、消防法上、非危険物に相当するため、脱公害型、環境保全型樹脂として普及してきています。しかし、溶剤揮散硬化タイプの塗料に比較して、乾燥速度が遅く、耐久性が劣るなど、課題も残されています。
熱可塑性樹脂は、合成樹脂の全生産量の80%近くを占め、熱加工(押し出し成形、射出成形など)により、板状、管状、シート状など、多種多様の成型品として利用され普及しています。
土木分野では、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂などの成型品が、遮音板、道路標識、反射板、排水パイプ、トンネル止水板などに利用されています。
物性は温度の影響を強く受け、0℃以下では脆く、60℃以上では軟化するものが多い。そのため、通常、穏和な使用条件の場合に限られ、耐久性が必要とされる過酷な条件の下では、使用にあまり適しません。
一般に、非構造用接着剤として、広く用いられています。
(1)硬化機構
熱可塑性樹脂を接着剤などに利用する場合、その硬化機構には、溶剤揮散硬化タイプ、水揮散硬化タイプ(エマルション)があります。
(a)溶剤揮散硬化型
溶剤揮散硬化型には、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどがあります。
硬化前の形態は、合成樹脂を、シンナーなどの溶剤に溶解した1液型であり、溶剤が揮散することによって硬化します。
塗料や接着剤としての用途が多い。
これら合成樹脂の一般的なの特徴は、計量や混合攪拌が不要であり、取り扱いが容易であることです。しかし、溶剤の揮散が硬化に不可欠なため、以下の注意が必要になります。
(1)一度に厚付けできない
(2)シンナーなどが揮散するため、換気が必要
(3)硬化物は溶剤に侵される
(b)水揮散硬化型(エマルション、ラテックス)
水揮散硬化型は、水溶性樹脂や非水溶性樹脂を、水中に溶解または乳化剤によって微粒子状に分散させたエマルション(ゴム粒子を分散させた場合は、一般的にラテックスと呼ばれる)であり、水が揮散(セメントなどで水が消費される場合もある)することによって硬化します。アクリルエマルション、スチレンブタジエン共重合体(SBR)ラテックス、などがあります。水性化塗料やセメントモルタルの混和材として利用されています。
水性化塗料は、溶剤による大気汚染がなく、労働安全衛生に優れる、消防法上、非危険物に相当するため、脱公害型、環境保全型樹脂として普及してきています。しかし、溶剤揮散硬化タイプの塗料に比較して、乾燥速度が遅く、耐久性が劣るなど、課題も残されています。
熱硬化性樹脂
硬化した合成樹脂に、熱を加えても柔らかくならず、焦げてしまう性質を持ったグループを、熱硬化性樹脂といいます。その構造は、ジャングルジムのような立体構造(三次元編目構造)となっています。
(1)硬化機構
熱硬化性樹脂をベースにした接着剤などの硬化機構は、液状の主剤と硬化剤を、使用する際に、混合、攪拌することで、常温下で適当な速さで硬化し、所要の性能と接着性が発現する反応硬化型(現場硬化型)となっています。
(a)2成分系反応硬化型
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などは、(主剤-硬化剤)の2成分系であり、主剤、硬化剤の配合比は、1:1~3:1程度のものが多く、配合比の誤差(プレ)による性能への影響を少なくしています。しかし、それぞれを所定の配合比で計量し、均一に混合、攪拌して使用することが重要であることは言うまでもありません。混合攪拌が不十分な場合には、硬化しない場合(硬化不良)があります。
(b)3成分系反応硬化型
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などは、(主剤-硬化剤(触媒、開始剤ともいう)-硬化促進剤)の3成分形となっています。主剤、硬化剤、硬化促進剤の配合比率は、100:1:(0.1~0.01)など、2成分系の樹脂に比較して、非常に小さくなっていて、少量しか使用しない場合には、特に計量に注意しなければなりません。
これら樹脂の反応はラジカル反応と呼ばれ、ドミノタオシのように、連鎖的に反応します。硬化促進剤は、反応においてスイッチのような役割を果たし、その配合比率によって、硬化速度の調整や、0℃以下の低温でも完全硬化させることができます。
硬化剤には、過酸化ベンゾイル(BPO)やメチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)を用い、硬化促進剤として、前者には第3級アミンを、後者にはコバルト系の促進剤などを組み合わせて用います。
高温の場合には、可使時間が非常に短くなります。空気中の酸素による硬化阻害(38℃以上になると、配合中のワックスが硬化樹脂中に融け込んで硬化阻害が生じる場合があります。)、硬化収縮が大きいなど、の欠点があり、注意が必要です。
(2)一般的な特徴
熱硬化性樹脂は、2成分系反応硬化型、3成分系反応硬化型に係わらず、以下のような特徴を持ち、構造用接着剤などに利用されています。
(1)硬化機構
熱硬化性樹脂をベースにした接着剤などの硬化機構は、液状の主剤と硬化剤を、使用する際に、混合、攪拌することで、常温下で適当な速さで硬化し、所要の性能と接着性が発現する反応硬化型(現場硬化型)となっています。
(a)2成分系反応硬化型
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などは、(主剤-硬化剤)の2成分系であり、主剤、硬化剤の配合比は、1:1~3:1程度のものが多く、配合比の誤差(プレ)による性能への影響を少なくしています。しかし、それぞれを所定の配合比で計量し、均一に混合、攪拌して使用することが重要であることは言うまでもありません。混合攪拌が不十分な場合には、硬化しない場合(硬化不良)があります。
(b)3成分系反応硬化型
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などは、(主剤-硬化剤(触媒、開始剤ともいう)-硬化促進剤)の3成分形となっています。主剤、硬化剤、硬化促進剤の配合比率は、100:1:(0.1~0.01)など、2成分系の樹脂に比較して、非常に小さくなっていて、少量しか使用しない場合には、特に計量に注意しなければなりません。
これら樹脂の反応はラジカル反応と呼ばれ、ドミノタオシのように、連鎖的に反応します。硬化促進剤は、反応においてスイッチのような役割を果たし、その配合比率によって、硬化速度の調整や、0℃以下の低温でも完全硬化させることができます。
硬化剤には、過酸化ベンゾイル(BPO)やメチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)を用い、硬化促進剤として、前者には第3級アミンを、後者にはコバルト系の促進剤などを組み合わせて用います。
高温の場合には、可使時間が非常に短くなります。空気中の酸素による硬化阻害(38℃以上になると、配合中のワックスが硬化樹脂中に融け込んで硬化阻害が生じる場合があります。)、硬化収縮が大きいなど、の欠点があり、注意が必要です。
(2)一般的な特徴
熱硬化性樹脂は、2成分系反応硬化型、3成分系反応硬化型に係わらず、以下のような特徴を持ち、構造用接着剤などに利用されています。

熱硬化樹脂の種類と主な特徴
(1)寸法安定性に優れる(肉やせせず、一度に厚付けできる)
(2)機械的強度(圧縮、曲げ、引張強度)が強く、バランスがよい
(3)接着性が高い
(4)熱に強い(溶融しない)
(5)溶剤に不溶である(耐薬品性に優れる)
(6)シンナーなどの揮散がない
(7)引火点が高い
(2)機械的強度(圧縮、曲げ、引張強度)が強く、バランスがよい
(3)接着性が高い
(4)熱に強い(溶融しない)
(5)溶剤に不溶である(耐薬品性に優れる)
(6)シンナーなどの揮散がない
(7)引火点が高い
合成樹脂材料と土木材料との比較
合成樹脂材料の特性(性能)は、その組成や構造によって異なります。一般建設材料である鋼材やコンクリートと比較して、以下のような特徴があります。合成樹脂と一般建設材料の特徴を比較しました。これらの特徴を十分に把握し、材料毎に使い分けることが重要です。

合成樹脂と一般建設材料の特徴の比較
(1)燃える(耐熱性に限界がある)
(2)紫外線によって劣化する
(3)熱膨張係数が大きい(鋼材、コンクリートの約5~10倍)
(4)熱や電気を伝えがたい
(5)酸、アルカリに強く、錆びたり腐ったりしない
(6)諸物性が温度に影響される
(2)紫外線によって劣化する
(3)熱膨張係数が大きい(鋼材、コンクリートの約5~10倍)
(4)熱や電気を伝えがたい
(5)酸、アルカリに強く、錆びたり腐ったりしない
(6)諸物性が温度に影響される
(ガラス転移点Tgを有する・・・Tg以上の温度ではゴムのように柔らかくなり、Tg以下では、ガラスのように硬くなる性質がある)
(7)クリープと応力緩和現象がある
(8)弾性係数(剛性)が小さい
(コンクリートの約1/10、鋼材の約1/100)
(9)機械的強度のバランスがよい
(圧縮強度≒曲げ強度、引張強度はコンクリートの10~20倍)
各種合成樹脂系の材料は、以下のものがあります。
(7)クリープと応力緩和現象がある
(8)弾性係数(剛性)が小さい
(コンクリートの約1/10、鋼材の約1/100)
(9)機械的強度のバランスがよい
(圧縮強度≒曲げ強度、引張強度はコンクリートの10~20倍)
各種合成樹脂系の材料は、以下のものがあります。