ビニルエステル樹脂
概要
ビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成樹脂であり、主鎖にエポキシ樹脂と同じビスフェノール骨格を持ち、側鎖に不飽和エステル基(ビニルエステル基)を持つ、一種の不飽和ポリエステル樹脂です。そのため、エポキシアクリレートとも呼ばれています。
硬化方法は、不飽和ポリエステル樹脂と同様であり、硬化剤と硬化促進剤を反応させることにより、ラジカルが発生し、主剤と連鎖的に反応が進み、高分子化していきます。
硬化方法は、不飽和ポリエステル樹脂と同様であり、硬化剤と硬化促進剤を反応させることにより、ラジカルが発生し、主剤と連鎖的に反応が進み、高分子化していきます。

ビニルエステル樹脂の構造
一般的な特徴
ビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂とポリエステル樹脂、両者の特徴を兼ね備えています。
<長所>
(1)粘度が低く、取り扱いやすい
(2)エポキシ樹脂より耐酸性に優れる
(3)低温での硬化性に優れる
(4)硬化促進剤の添加量の調整により、可使時間や硬化時間の調整ができる。(硬化が速い)
<長所>
(1)粘度が低く、取り扱いやすい
(2)エポキシ樹脂より耐酸性に優れる
(3)低温での硬化性に優れる
(4)硬化促進剤の添加量の調整により、可使時間や硬化時間の調整ができる。(硬化が速い)
<短所>
(1)エポキシ樹脂と比較して、硬化収縮が大きい
(2)高温時の可使時間が短い
(3)空気中の酸素により、硬化阻害が生じる
(4)フィラー(充填材、ダレ防止材、顔料など)の保持性に乏しため、揺変性(チクソトロピック性)が付与しにくく、色分れが生じ易い
(5)分子内に芳香環を有するため、紫外線により変色や光沢が減少する。(直接日光に曝される場合には、耐候性上塗り塗料を塗布する)
利用するに当たっては、これらの特徴(短所)を良く理解することが必要です。
(1)エポキシ樹脂と比較して、硬化収縮が大きい
(2)高温時の可使時間が短い
(3)空気中の酸素により、硬化阻害が生じる
(4)フィラー(充填材、ダレ防止材、顔料など)の保持性に乏しため、揺変性(チクソトロピック性)が付与しにくく、色分れが生じ易い
(5)分子内に芳香環を有するため、紫外線により変色や光沢が減少する。(直接日光に曝される場合には、耐候性上塗り塗料を塗布する)
利用するに当たっては、これらの特徴(短所)を良く理解することが必要です。
ビニルエステル樹脂は、優れた接着性と耐酸性、速硬化性を有することから、主として、下水道施設や温泉地区に立地する構造物の耐酸ライニングに用いられるが多いようです。
耐酸ライニングには、(1)現場でガラス繊維クロスや不織布に樹脂を含浸し、貼り付けるFRPライニング工法、(2)ビニルエステル樹脂で作られたFRP成形板をエポキシ樹脂接着剤で貼り付ける方法、(3)マイカなどを混入したフレークライニング、などがあります。
耐酸ライニングには、(1)現場でガラス繊維クロスや不織布に樹脂を含浸し、貼り付けるFRPライニング工法、(2)ビニルエステル樹脂で作られたFRP成形板をエポキシ樹脂接着剤で貼り付ける方法、(3)マイカなどを混入したフレークライニング、などがあります。
使用上の注意点
ビニルエステル樹脂は、その硬化方法が不飽和ポリエステル樹脂と同様なことから、使用上の注意点は、共通する点が多くあります。
(1)主剤に対する、硬化剤、硬化促進剤の配合比が小さいため、計量、混合、攪拌に注意を要する
(2)硬化剤は、有機過酸化物であり、危険物第5類に指定されている。また、その形態も、粉末、ペースト、液状と様々である。火気・加熱・摩擦・衝突をさけ、換気の良い冷暗所に保存する。
(3)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を混合しただけでは硬化しない。硬化促進剤を必ず添加し、添加量は(気温と可使時間の関係)を調べて決定する
(4)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を配合比に従い、均一な混合をした後、硬化促進剤を添加する。同時に加えると、急激に反応し、爆発、火災などの危険性がある
(1)主剤に対する、硬化剤、硬化促進剤の配合比が小さいため、計量、混合、攪拌に注意を要する
(2)硬化剤は、有機過酸化物であり、危険物第5類に指定されている。また、その形態も、粉末、ペースト、液状と様々である。火気・加熱・摩擦・衝突をさけ、換気の良い冷暗所に保存する。
(3)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を混合しただけでは硬化しない。硬化促進剤を必ず添加し、添加量は(気温と可使時間の関係)を調べて決定する
(4)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を配合比に従い、均一な混合をした後、硬化促進剤を添加する。同時に加えると、急激に反応し、爆発、火災などの危険性がある