アクリル樹脂(MMA)
概要
アクリル樹脂とは、主としてアクリル酸(CH2=CH-COOH)やメタクリル酸(CH2=C(CH3)-COOH)の誘導体(分子内の小部分の変化によって生成する化合物を、元の化合物の誘導体という)を主成分とする樹脂の総称をいいます。特に、熱可塑性樹脂のメタクリル酸エステル樹脂(MMA)を意味することが多いようです。
一般的な硬化方法は、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と同様に、硬化剤と硬化促進剤を反応させることにより、ラジカルが発生し、主剤と連鎖的に反応が進み、高分子化していきます。
また、表面被覆材として利用する場合には、水の存在下で、柔軟なアクリルポリマーを水溶性開始剤で重合し、エマルション化する方法(乳化重合)もあります。
一般的な硬化方法は、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と同様に、硬化剤と硬化促進剤を反応させることにより、ラジカルが発生し、主剤と連鎖的に反応が進み、高分子化していきます。
また、表面被覆材として利用する場合には、水の存在下で、柔軟なアクリルポリマーを水溶性開始剤で重合し、エマルション化する方法(乳化重合)もあります。
一般的な特徴
アクリル樹脂は、その原料となるアクリル酸エステル(CH2=CH-COOR)の側鎖Rの種類(メチル基、エチル基、プチル基、2-エチルへキシル基など)によって、ほぼその性能が決定され、ゴム状弾性体から硬質樹脂まで、幅広い物性が得られます。また、MMAは、モノマーとしても利用されます。
アクリル樹脂の硬化反応は、ラジカル反応のため、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と共通の特徴を有しています。
アクリル樹脂の硬化反応は、ラジカル反応のため、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と共通の特徴を有しています。
<長所>
(1)ゴム状弾性体から高弾性率まで幅広い物性が得られる
(2)耐候性に優れる
(3)工場製品である成形板は透明性と耐衝撃性に優れる。可視光線の透過率が90%以上あり、有機ガラスと呼ばれる。
(4)低温硬化性(-20℃)に優れる
(5)MMAモノマーは、水のように低粘度であり、コンクリートなどへの浸透性が高い
(1)ゴム状弾性体から高弾性率まで幅広い物性が得られる
(2)耐候性に優れる
(3)工場製品である成形板は透明性と耐衝撃性に優れる。可視光線の透過率が90%以上あり、有機ガラスと呼ばれる。
(4)低温硬化性(-20℃)に優れる
(5)MMAモノマーは、水のように低粘度であり、コンクリートなどへの浸透性が高い
<短所>
(1)エポキシ樹脂と比較して、硬化収縮が大きい
(2)高温時の可使時間が短い
(3)空気中の酸素により、硬化阻害が生じる
(4)MMAモノマーは、揮発性が高く、特有の臭気が強い
アクリル樹脂は、透明性と強靱性により、航空機の窓ガラス用としてスタートし、その後、レンズ、建材、照明器具に利用されています。
建設分野では、ゴム状弾性体から高弾性率まで幅広い物性が得られることや、低温時の硬化性や耐候性に優れることから、目地材、表面被覆材、ポリマーモルタルの結合材、ポリマー含浸コンクリート(PIC:Polymer Impregnated Concrete)の含浸剤、ひび割れ注入材などに、また、エマルションの形でセメント用混和材や表面被覆材としてなど、幅広く利用されています。
(1)エポキシ樹脂と比較して、硬化収縮が大きい
(2)高温時の可使時間が短い
(3)空気中の酸素により、硬化阻害が生じる
(4)MMAモノマーは、揮発性が高く、特有の臭気が強い
アクリル樹脂は、透明性と強靱性により、航空機の窓ガラス用としてスタートし、その後、レンズ、建材、照明器具に利用されています。
建設分野では、ゴム状弾性体から高弾性率まで幅広い物性が得られることや、低温時の硬化性や耐候性に優れることから、目地材、表面被覆材、ポリマーモルタルの結合材、ポリマー含浸コンクリート(PIC:Polymer Impregnated Concrete)の含浸剤、ひび割れ注入材などに、また、エマルションの形でセメント用混和材や表面被覆材としてなど、幅広く利用されています。
使用上の注意点
(a)反応硬化型(モノマーやポリマーとして利用する場合)
ラジカル反応のため、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と同様の注意が必要です。
(1)主剤に対する、硬化剤、硬化促進剤の配合比が小さいため、計量、混合、攪拌に注意を要する
(2)硬化剤は、有機過酸化物であり、危険物第5類に指定されている。また、その形態も、粉末、ペースト、液状と様々である。火気・加熱・摩擦・衝突をさけ、換気の良い冷暗所に保存する
(3)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を混合しただけでは硬化しない。硬化促進剤を必ず添加し、添加量は(気温と可便時間の関係)を調べて決定する
(4)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を配合比に従い、均一な混合をした後、硬化促進剤を添加する。同時に加えると、急激に反応し、爆発、火災などの危険性がある
(5)プラスチックコンクリート(モルタル)の結合材として使用する場合には、規定量以上の骨材を混合しない。(混合・攪拌時に空気を連行しすぎて、硬化阻害が生じる場合がある)
(6)ワックス添加型は、38℃以上になると、配合中のワックスが硬化樹脂中に融け込んで、表面のべタツキや硬化阻害が生じる
ラジカル反応のため、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と同様の注意が必要です。
(1)主剤に対する、硬化剤、硬化促進剤の配合比が小さいため、計量、混合、攪拌に注意を要する
(2)硬化剤は、有機過酸化物であり、危険物第5類に指定されている。また、その形態も、粉末、ペースト、液状と様々である。火気・加熱・摩擦・衝突をさけ、換気の良い冷暗所に保存する
(3)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を混合しただけでは硬化しない。硬化促進剤を必ず添加し、添加量は(気温と可便時間の関係)を調べて決定する
(4)3成分系の場合には、主剤と硬化剤を配合比に従い、均一な混合をした後、硬化促進剤を添加する。同時に加えると、急激に反応し、爆発、火災などの危険性がある
(5)プラスチックコンクリート(モルタル)の結合材として使用する場合には、規定量以上の骨材を混合しない。(混合・攪拌時に空気を連行しすぎて、硬化阻害が生じる場合がある)
(6)ワックス添加型は、38℃以上になると、配合中のワックスが硬化樹脂中に融け込んで、表面のべタツキや硬化阻害が生じる
(b)水揮散硬化型(エマルションとして利用する場合)
(1)塗膜を形成するためには、水分の蒸発が不可欠なため、湿度に十分に注意する
(2)保存時には、凍らせないように注意する
(1)塗膜を形成するためには、水分の蒸発が不可欠なため、湿度に十分に注意する
(2)保存時には、凍らせないように注意する