合成繊維は、原料となる高分子の種類で分類され、ポリアミド(ナイロン)系、ポリビニル系、ポリエステル系、アクリル系など、多くの種類があります。 現在、補修、補強に使用される主な繊維として、アラミド繊維(ポリアミド系)やビニロン繊維(ポリビニルアルコール系)が挙げられます。 アラミド繊維は、ポリパラフェニレンテレフタルアミドが正式な名称で、一般にその俗称でアラミドという名前で呼ばれています。
下図にアラミド繊維の化学構造を示します。 現在、デュポン(株)の“ケブラー”、テイジン(株)の“テクノーラ”などが商品化されています。
下図にアラミド繊維の化学構造を示します。 現在、デュポン(株)の“ケブラー”、テイジン(株)の“テクノーラ”などが商品化されています。
カーボン繊維は、PAN系(ポリアクリロニトリル)繊維および石油、石炭ピッチ、レーヨン繊維を出発原料にし、空気中および不活性ガス中で高温処理して作られ、最終的に、全て炭素原子で構成されます。 そのため、ガラス繊維と同じように、無機系繊維に分類されます。
これら繊維の一般的な特徴を以下に示します。
①軽量である
②錆びない(高耐食性)
③高強度(引張強度は鋼材の数倍あるが、降伏点を示さず、脆性的な破壊をする)
④アラミド繊維は、カーボン繊維に比較して、弾性係数が小さい。破断時の伸びが大きく、耐衝撃性に優れる。
①軽量である
②錆びない(高耐食性)
③高強度(引張強度は鋼材の数倍あるが、降伏点を示さず、脆性的な破壊をする)
④アラミド繊維は、カーボン繊維に比較して、弾性係数が小さい。破断時の伸びが大きく、耐衝撃性に優れる。
しかし、紫外線に弱いという欠点がある。(カーボン繊維は、他の繊維に比較して、弾性係数が大きい。
反面、破断時の伸びが小さく、耐衝撃性に劣る。酸、アルカリなどの耐薬品性や耐候性に優れる)
⑤ビニロン繊維は、他の繊維に比較して、引張強度や弾性係数は小さいが、耐アルカリ性に優れる
各種繊維の物性を下表に示します。
⑤ビニロン繊維は、他の繊維に比較して、引張強度や弾性係数は小さいが、耐アルカリ性に優れる
各種繊維の物性を下表に示します。