本文へ移動

ひび割れ補修工法

 ひび割れ処理工法の選定に当っては、ひび割れの現象および原因に応じて表1を参考にして下さい。なお、塩分環境下などの過酷な条件の場合には、一般環境下で用いる材料、工法よりもさらに上位のレベルのものを選定するのが望ましいでしょう。
 
 補修によるコンクリート構造物、部材の回復目標は、竣工時の初期性能、構造物の経歴、ひび割れ発生原因、劣化度、劣化範囲などによって異なるものであり、また補修の保証年数も相違します。一般に補修の回復目標は次に示す3段階に分けられます。
 
 ①健全な部材の性能と同程度に回復させる補修セメントの水和熱、中性化、乾燥収縮によるひび割れなど原因が明らかな場合の補修を対象としている。この保証年数は、一般に10年程度が望ましい
 
 ②実用上支障のない範囲に回復させる補修、鉄筋腐食、反応性骨材によるひび割れやそれらによる劣化度が著しい場合、あるいはひび割れ原因が多岐にわたり、原因をすべて明確にできない場合などの補修を対象としている。この保証年数は、一般に5年程度が望ましい
 
 ③対人安全性が確保できる範囲に回復させる補修対人安全性を確保するために実施する応急的な補修を対象としている
 
 なお、補修作業に必要な機械、材料、作業足場(労働安全衛生規則の適用を受ける)および、工事周辺における対人安全性についても十分に検討する必要があるのは、いうまでもありません。
 
 代表的なひび割れ処理工法には表面処理工法、注入工法および充填工法があります。これらの工法は、ひび割れの発生原因、発生状況、ひび割れ幅の大小、ひび割れの変動の大小、鉄筋の腐食の有無等によって、単独あるいは組み合わせて使い分けられるのが一般的です。
 
 
表-1 ひび割れ補修工法の分類
TOPへ戻る