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工法

コンクリート構造物の補修・補強工法

 コンクリート構造物に生じる劣化及び変状は、ひび割れ、剥離、遊離石灰、漏水、鉄筋露出等ですが、複数の変状が同時にみられる場合が多く、損傷程度も様々です。コンクリート構造物の補修には、調査・診断を行い劣化・損傷について、正確にその内容を把握することが肝要であると言えます。それは損傷の程度、原因、部位等により、補修方法が異なるからである事は、言うまでも有りません。
 
 塩害、アルカリ骨材反応といった、コンクリート構造物の早期劣化現象が問題となる中、旧建設省が実施した総合技術開発プロジェクト、「コンクリートの耐久性向上技術の開発」の研究において、点検、補修方法が取りまとめられています。また、土木学会においても、『コンクリート標準示方書(平成3年版)』では、「施工編」の付録として、「構造物の維持管理(案)」が、示されているだけですが、将来は「維持管理編」を設けようと、計画されています。
 
 その試案の中で、「補修は、劣化を生じた構造物の耐久性など、主として耐力以外の機能を回復させるために行うものである。耐久性、耐水性等の機能は、補修の施工そのものの良否によって、決定的な影響を受けるので、入念な施工が大切である。構造物に劣化・損傷が生じる原因は、漏水等に起因することが多い。従って、再変状を生じさせないためには、特に防水性に富んだ補修をすることが重要である。」と、されています。
 
 補修の目的は、劣化・損傷した構造物の重要度、劣化度、損傷度により異なりますが、大別すると次のように区分されます。
 
 ① 現状の耐力などの安全性、耐久性、機能性等の性能を維持するために、劣化・損傷の進行を抑制すること。
 
 ② 劣化・損傷した、またはその可能性のある構造物に対し、実用上支障のない所要の性能までに、回復させること。
 
 ③ 劣化・損傷した、またはその可能性のある構造物に対し、その性能を初期の水準以上に改善すること。
 
 これらの補修の目的に沿って、どのような補修方法が有利であるかを、選定しなければならないでしょう。以下に代表的な、補修・補強工法をあげてみました。これらの工法は、単体で用いられる事は少なく、複数の組合わせで施工されるのが一般的です。
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