ジャンカ
ジャンカとは、打設されたコンクリートの一部に粗骨材が多く集まってできた空隙の多い構造物の不良部分をいいます。「豆板(まめいた)」とも言われています。コンクリート構造物に発生する代表的な初期欠陥です。
発生要因
ジャンカは、コンクリートを打設するときの材料の分離、締固め不足、型枠下端からのセメントペーストの漏れなどによって生じることになります。ジャンカが生じやすいのは、設備の埋込み金物や配管などの下部や窓などの開口部下部、階高の高い柱・壁脚部、薄い壁、SRC造の梁鉄骨フランジ下端、SRC造の梁下中央にある壁、壁付きの階段などコンクリートが打込みにくい場所に多くみられます。コンクリートの落下高さが4mを超えると、コンクリートの分離によりジャンカが発生しやすくなりますが、3m程度でもジャンカの発生が認められることもあり注意が必要です。
構造物に及ぼす影響
ジャンカが生じた部分は、空隙部分と同様で炭酸ガスや水に対する抵抗性がなく、コンクリートの中性化抑制効果をほとんど示さないことになります。ジャンカ部に鋼材が存在する場合には、早期に腐食するため、早急に補修を施す必要が有ります。
等級Bのジャンカ(深さ1~3cm程度)は、ジャンカ部分に砂利が露出していますがその部分をはつり取る必要がない場合で、ジャンカ部分にポリマーセメントモルタルなどを塗布し補修します。
等級Cのジャンカ(深さ1~3cm程度)は、ジャンカ部分に砂利が露出し、表層の砂利を多少はつり取る必要がある場合で、ワイヤーブラシなどでジャンカ部分及びその近傍を健全な部分まではつり取り、その部分にポリマーセメントペーストを塗布後、ポリマーセメントモルタルなどを充填します。
等級Dのジャンカの補修は、鋼材のかぶりからやや奥(深さ3~10cm)までジャンカ部分に砂利が露出している場合で、ジャンカ部分に無収縮モルタルを充填します。さらに、型枠脱型後に、ジャンカ部分の補修箇所およびその近傍にポリマーセメントペーストなどを塗布し、仕上げを行います。
等級Eのジャンカの補修は、空隙深さが10cm以上に達し、ジャンカ部分に多数空洞が見られる場合で、ジャンカ部分を完全にはつりとり、硬練りコンクリートで打換えます。型枠脱型後に補修箇所及びその近傍にポリマーセメントペーストなどを塗布し仕上げを行います。